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ABS交渉:遺伝資源に関する伝統的知識
2009/07/07(Tue)
6月17日~19日にかけて、インドのハイデラーバートで「遺伝資源に関する伝統的知識に関する専門家会合(Expert Group on Traditional Knowledge)」が開催され、

6月29日~7月3日にかけて、スイス・ジュネーブのWIPO本部において「知的財産権、遺伝資源、伝統的知識・フォークロアに関する政府間委員会」第14回会合が開催されました。

いずれも、CBDのABSレジームと関連する重要な会合です。

CBDの専門家会合では、完全ではないものの、伝統的知識の共通要素など、ある程度CBD、ABSの文脈における伝統的知識の明確化が図られたようですが、

ABS国際レジームにおける伝統的知識の位置付け(ある専門家は、CBD第8条j項が国家に最大限の柔軟性を認めるものであり、伝統的知識に関して何ら義務付けるものではないと主張)や、

伝統的知識の取扱いの区別("public domain"としての伝統的知識と、"publicly available"伝統的知識の違いでの対立)など、

さらなる論点がいくつか出てきているようです。

また、WIPOの政府間委員会でも、遺伝資源に関する伝統的知識の保護に関して、ABSに関連する重要な部分に関しては合意に至ることができず、将来の議論が不透明な状況になっています。


先日開催された第7回ABS作業部会では、「目的」「範囲」「コンプライアンス」「公正かつ衡平な利益配分」及び「アクセス」に関する部分のみが検討され、伝統的知識やレジームの法的性質に関しては議論がされませんでした。

にもかかわらず、未だ合意に至っていないことを表すブラケット([ ])が付いている箇所が976ヶ所もあります(何千個も付いているという人がいますが、ブラケットは個数ではなく、「ヶ所」です)。

その全てのブラケットを外すためには途方もない時間がかかることを考えると、伝統的知識に関する作業部会と今回の専門家会合の結果を踏まえて交渉される、第8回ABS作業部会でのテキストがどうなるか楽観的になる要素は皆無です。

ただ、そのブラケットも基本的には同じフレーズ・単語に付けられているのがほとんどであり、実質的にはその半分程度(それでも500弱)だと思います。


いずれにせよ、2010年のCOP10で、法的拘束力のあるABS国際レジームを採択するためには、2010年の3月までに、その議定書案としての形ができていなくてはなりません。

※議定書の採択は、締約国会議でしかできないので、2010年に採択できない場合は、2012年まで延びます。

これだけ激しく対立しているABSに関して、2010年3月までに、192ヶ国(EC含む)全ての締約国の合意を取ることは不可能ではないかと思ってしまいますが、交渉をリードしているのは基本的に10~15ヶ国であり、基本的にはそれらの国の中で妥協点が見つけ出すことができるかがポイントになります。

とはいえ、相反する両極端の主張がぶつかり合うABSにおいて、その両方にとって納得できるWin-Winな選択肢があるのか、まだまだ先行きは不透明です。

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