FC2ブログ
スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
利益配分のモデルケース
2009/01/20(Tue)
 CBDはその15条において、「遺伝資源の研究及び開発の成果並びに商業的利用その他の利用から生ずる利益を、当該遺伝資源の提供国である締約国と公正かつ衡平に配分すること」を定めていますが、その配分は、「相互に合意する条件」で行うとも定めています。


 遺伝資源の利益配分をめぐっては、金銭的利益のみに目が行きがちですが、CBDの主旨・目的からすれば、研究成果等(現地研究員のトレーニングや技術移転含む)の非金銭的利益も含むのであり、金銭的利益の還元のみがCBDの規定するABSの主旨ではありません。


 ただ、何をどこまで含めば「公正かつ衡平な利益の配分」となるのか、基準が不明確とも言えます。


 遺伝資源の利益配分をめぐっては、度々、1991年のアメリカのMerck社とコスタリカの国立生物多様性研究所(INBio)の間における資源開発・技術移転協定がABSのモデルケースとして言及されますが、以降、各国においてABSの事例は蓄積しております(政府・非政府両ケース)。


 全てのケースにおいて、Merck&INBioのケースのような条件が適用可能とは思いませんが、上記のケースは、知的財産権の尊重とキャパシティ・ビルディングの双方に適っており、利益配分のモデルケースと言えると思います。

(サンプルの提供、独占的開発権、特許の保持の見返りとして、一時金として100万ドルの寄託や資材・技術移転、研究過程での現地スタッフのトレーニング等。中川・佐野、1997)


 ただし、この種の契約は継続性が問題となります。情報不足から断定はできませんが、2001年以降、上記のプロジェクトの継続をめぐっては交渉・検討中のようです。


 昨今、遺伝資源の提供国では、遺伝資源のアクセスのため非常に複雑かつ厳格な手続きや、自国民よりも大きな負担を課すなど、外国人による遺伝資源へのアクセスを制限する傾向が強くなっています。


 原因の一つとして、遺伝資源の利用国(先進国)による遺伝資源の奪取(バイオパイラシー)が良く挙げられますが、正当な科学的活動やその国の国内法、CBDを遵守している当事者まで閉め出される可能性も無いとは言えません。


 結論として、遺伝資源へのアクセス無しには、(その開発および)利益配分も生じようがないのであり、自国での遺伝資源へのアクセスを制限するばかりでは、クライアントが寄りつかず、結局は利益配分を損なう可能性もあります。
この記事のURL | ABS研究 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
遺伝資源由来製品の世界的売上高
2009/01/20(Tue)
 遺伝資源由来製品(医薬品、植物薬、主要作物、園芸、農薬、化粧品、パーソナルケア製品および多様なバイオテクノロジー関連)の世界的売上高は、年間5千億USドルから8千億USドルになると言われています。(ten Kate, Science, 2002


 この中で、最も売上高が高いのは「医薬品」関連製品(全医薬品の25%~50%が、遺伝資源に由来しており [ten Karte&Laird, 1999])、全体の半分以上を占めます。(各種資料から整理)


 しかし、この際、「1つの」医薬品を開発するため10億ドルの開発コストがかかることを考慮すれば、かなりハイリスクを伴う投資だとも言えます。

(医薬品全体で10億ドルの開発コストではなく、成功・失敗それぞれ個別のケースにおいて、かなりの投資開発コストがかかっているということ。ラロシュ社HP参照
この記事のURL | ABS研究 | CM(1) | TB(0) | ▲ top
ABSおよび関連問題の情報共有
2009/01/20(Tue)
2009年度初めての投稿です。

2010年に日本での生物多様性条約締約国会議(COP10)を控えて、今後、「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)」や「先住民の伝統的知識と知的財産法」、「カルタヘナ議定書における責任と救済(ライアビリティ)」などの問題が注目を集めてくると考えられます。

これらの問題を研究していることもあり、研究活動の過程でまとめた情報などを公開・共有していくことは、多くの人達に関心を持ってもらうことに繋がると思うので、しばらくはそのようにしていこうと考えています。
この記事のURL | はじめに | CM(0) | TB(0) | ▲ top
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。