第8回ABS作業部会 7日目 速報
2009/11/15(Sun)
最終日の7日目、プレナリーは11時にから開かれ、9時過ぎには今回採択する文書のドラフト
(L.ドキュメント)が3つ仕上がっていました。

最終日は、共同議長より指名されていた報告者(rapporteur)からの会議全体のまとめの報告と、Lドキュメントに記載されている内容に間違いがないか、パラグラフごとにチェックしていく作業をします。

今回採択するドキュメントは3つ。

1)第9回ABS作業部会の報告書(会議全体のサマリー) (L.1 doc)

2)ABS国際レジームの統合テキスト案 (L.2 doc)

3)第9回ABS作業部会まで検討を一時留保することになったテキスト案 (L.3 doc)


各締約国から、いくつかの修正(記載間違い等)の申請がありましたが、思った以上にスムーズに文章の採択が行われました。

そして、Lドキュメントの採択が終わった後に、各締約国から今回の作業部会および次回の第9回ABS作業部会、COP10に向けての所信などが表明されました。


今回、ABS7と比べての大きな変化といえば、共同議長を含む、大多数の国が「法的拘束力ある文書=議定書(Protocol)」を採択するということを明確に発言するようになったということです。

それは、EUが法的拘束力ある文書の採択を容認するテキスト案を提出したことや、日本がプレナリーの場で「法的拘束力ある文書の採択を排除するわけではない」(日本が容認できる内容なら)と発言し、最後のセッションでも「(議定書(Protocol)の採択に向けて交渉をしていくと主張した)共同議長の見解を支持する」という言葉を使ったことにも表れていると言えます。

特に、日本が「議定書(Protocol)という言葉を明確に使った時には、NGOは驚いた顔で見合わせていて、皆とても満足そうな顔をしていましたし、すかさず、LMMCであるマレーシアから、「日本が『議定書』という言葉を使ったことを支持する」という風に発言がありました。

(言葉尻だけを取られているので、ややあざといとも感じますが・・・)

ABS7までは、最終的にどのような文書を採択するか全く見えない状況でしたが、今後は、(ほぼ)確実に、COP10における「ABS議定書」の採択に向けて交渉をするという方針が固まったと言えるのではないでしょうか。


もちろん、現在のテキスト案は非常に多くのブラケット(合意されていないことを表す括弧付き=[・・・]の単語)が付いており、また、内容にも多くの重複が見受けられます。

(今回、ブラケットは合計3800箇所付いたとプレナリーでは言ってましたが、調べたところ、2606箇所付いていました。)

何より、法的枠組みとしての「実行可能性」などを無視した提案が多く、このまま本当に成立したとして運用していけるのか、まだまだ不明な点の方が多く感じます。


しかし、ABS7の際には、連日午後10時過ぎ、午前2時過ぎまでコンタクトグループがあったことや、プレナリーでもめにもめたことを考えると、今回は夜中までのセッションはほとんど無く(遅くても夜9時、10時までが数回)、最終日も3時間のプレナリーで終わったことですし、交渉の方向性としては大きく進展しているともいえるのではないでしょうか。


ところで、まだまだ検討すべき問題が山積のABS作業部会ですが、2回予定されているフレンズオブチェア会合の内、1回はカナダがホストとなること、またノルウェーが途上国支援のために70000US$拠出することを表明しました。

そのため、ABS9前の1月最終週から2月の第1週上旬にかけての会期間協議が開催されることが決定し、今回検討が十分出来なかった問題点などの解決案を模索する作業が行われます。(第2回の会合はまだ開催地(ホスト)が未定です。)

来月から3月までABS地域会合も各地で開催されますし、来年3月の第9回ABS作業部会まで、どのように現実的な解決策が出されるのか、この数ヶ月が非常に重要な期間となりそうです。
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第8回ABS作業部会 6日目 速報
2009/11/14(Sat)
パリ附属書からの後退?

テキスト統合が進み、法的拘束力ある文書を採択しようという声が高まっている作業部会ですが、交渉テキストが膨れあがり、さらに、新たにパリ附属書のメインコンポーネントから外れるが検討が必要な事項が出てきたため、果たしてこんな大きな枠組みがABS9まで(あと数ヶ月で)まとまるのか、という懸念が見え隠れしています。

今日は、午前がコンプライアンスと伝統的知識のコンタクトグループ、午後に、ABSのコンタクトグループが開かれ、夕方からプレナリーが開かれることになっています。


午前中のコンプライアンスCGは、午後1時までにノンペーパーのチェック作業が終わらなかったため、午後3時から再開することになりました。

この点、いくつかの国は、「残りページが少しなのだから、このまま続けるべき」と主張しましたが、ほとんどの国が、「通訳無しで続けるのは問題がある」(昼休みには通訳は付きません)「地域間協議が午後1時から午後3時までの間で予定されているから続けられない」とのことで、結局午後3時から再開することに。

午後には、ABSのコンタクトグループも予定されていたため、ABSとコンプライアンスのコンタクトグループが同時セッションで行われることになりました。

前日までは、ほとんどの国が「ABSとコンプライアンスの担当者が同じだから、同時セッションは難しい」と嫌がっていましたが、なぜか今回は同時セッションとすることにこだわりました。

午後からはABS-CGに参加していましたが、以外に早くノンペーパーのチェック作業は終わりました。


そして、午後5時からプレナリー

まず、各コンタクトグループからの報告の後、CRP文書の完成、及び翌日全てを統合した、Lドキュメント(Limited distribution=draft document)が午前中までに事務局から用意されることが伝えられました。

また、共同議長より、今回顕在化した、「メインコンポーネントには含まれないがABS国際レジームとして重要な事項」(定義、組織、履行に関する問題など)に関して検討するため、また、ここまで複雑かつ大きくなったABS国際レジーム案に関する良い解決策をABS9までに検討するため、2回のフレンズオブチェア会合(Friends of co-Chairs Meeting)が設けられることが発表されました。

なお、1回目の会期間会合(intersessional meeting)にはカナダがホストとなることを表明し、来年2月に、モントリオールで開催されることになりました。

構成は、議長から選ばれた18ヶ国、2席のCOP9、COP10議長国(自動的に、ドイツと日本は参加)、ILC、NGO、産業界代表から2席ずつの、28の出席者となっています。


まだ、もう一つの地域間協議(inter-regional consultation meeting)は、国連の5つの地域グループ(アフリカ、アジア、東欧、GRULAC、西欧その他)から25席(各5席)、5つの地域グループから選出された2人のアドバイザー計10席、COP現・次期議長国、ILC、NGO、産業界が各2席と、コンパクトな構成です。

二回目のフレンズオブチェア会合は、どこがホストとなることが決まっていないため未定です。

なお、この点に関して、ブラジルやスイス、EU、ノルウェー、ニュージーランドなどから、限定的な参加では交渉の透明性が確保できず、民主的ではない旨主張がありました。

特にブラジルが、カルタヘナ議定書の責任と救済に関するフレンズオブチェア会合を例に出し、もっと多くのオブザーバーの参加が必要だと主張しました。

この点どうするかに関しては、通訳の時間の関係などから、共同議長からは明確に表明されなかったと思いますが。もしかしたら、明日のプレナリーで表明されるかもしれません。


明日は、午前11時からプレナリーで、各コンタクトグループで仕上げたCRPドキュメントを統合したLドキュメントをチェックし、作業部会での結果をまとめた、「モントリオール附属書I」と「附属書II」(メインコンポーネントに含まれない要素をまとめたもの)を採択することになります。
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第8回ABS作業部会 5日目 速報
2009/11/13(Fri)
前日のコンタクトグループ及び午後のプレナリーの結果、本日5日目は、午後3時からプレナリーが開催されることが決定された。

午前中は、各コンタクトグループで仕上げられたテキスト案(CRP文書=Conference Room Paper;会議内でのみ配布され、交渉の基礎となるドキュメント)および改訂版ノンペーパーを検討するため、また、新しい問題に対する対処を含めた、今後の議事進行に関してすりあわせをするため、地域間および非公式の折衝が行われている。

グルーピングは、LMMC会合、アジア太平洋同志国家会合、アフリカ地域会合、EU、JUSCANZ会合などである。この他に、二国間の会合もいくつか設けられている様子。

まだ、交渉用のテキストであるCRPドキュメントができあがっていないため、「交渉」というものは始まっていないが、その前段階でさえこの状況である。

残り3日間、どれだけ激しい交渉になるか、議事録を作る方としてはかなり不安です・・・。

午後の速報は余談へ(なお、議事録自体は後日アップします):
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第8回ABS作業部会 4日目 速報
2009/11/12(Thu)
午前のプレナリーでは、前日のコンタクトグループからの報告と、アクセス、利益配分(ABS)に関するコンタクトグループの設立、伝統的知識に関するコンタクトグループの継続が共同議長より報告された。

同時セッションとなるコンタクトグループに関して、ナミビアから、ABSのコンタクトグループの議長にナミビアが選出されたため、ABSと伝統的知識の同時セッションは難しい旨懸念が表明された。

他の締約国からも、代表団の振り分けの問題から、TKとABSの同時セッションは難しいとの懸念が出された。

結局、作業部会の共同議長からは、午前に、ABSとキャパシティ・ビルディングのコンタクトグループを、午後に、コンプライアンスと伝統的知識のコンタクトグループを開くことが提案され、それで合意となった。

さらに、現在コンタクトグループから上がっている、パリ附属書に統合する新しいテキスト案の挿入箇所に関する問題(「parking」)に関して、締約国間(特に、EUとLMMC)で対立が発生したため、その問題点を検討し指示を出すため午後5時半より短いプレナリーが開催されることも決定された。




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第8回ABS作業部会 3日目 午前(プレナリー)
2009/11/11(Wed)
コンプライアンスのコンタクトグループの創設、前日からの続きで、キャパビルと伝統的知識のコンタクトグループが設けられることが決定。

どのようなセッション構成とするかで、代表団でもめたようで、直前までどのような構成になるか分かりませんでした。

伝統的知識とコンプライアンスに出ている代表団の構成が同じため、いくつかの国は伝統的知識とコンプライアンスの同時セッションだと困るとのこと。

また、コンプライアンスのコンタクトグループの議事進行に関して、ブラジルとEUで激しい対立となり、約1時間、議事がストップ。

共同議長とEU、ブラジル、後ほど、マレーシアやアフリカが入ってきて、激しい議論がされていました。

結局は、午前の1時間をキャパシティ・ビルディングのコンタクトグループに、午後の3時から、伝統的知識とコンプライアンスの同時セッションとすることになりました。

午後3時から、午後9時までは、コンプライアンスのコンタクトグループに参加。
その時間では、ほとんどの食事できるところが閉まっており、遅くまで開いているファストフード店で軽く済ませて帰りました。

この報告は後ほど整理し直します。
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